このSHIPのプロジェクトが始まったときに、「まずは絵を描いてもらおう」と考えました。廃校を再生する上で、「未来のイメージ」を共有することはなかなか難しいものです。リノベに限らず新築の不動産やホテルなどではよくCGパース?を作成します。
でも僕はあまりCGパースのようなものが好きでなくて(これは本当にただの好み)、3DでもCGでもなく、みんながワクワクするような「絵」が必要だという、なぜか確信めいたものがありました。そして「これは大桃さんに頼むしかない」と、かなり初期に思い浮かんだのです。
大桃さんは、とてもすごくて、とても素敵なアーティストです。とにかくかわいくて優しくて、みんなが生きてる充実感が伝わってくるような幸せな絵を描かれる方です。ありがたいことに、5年ほど前にも仕事をご一緒させてもらったことがありました。
それで今回、恐れながらも、大桃さんに久しぶりに連絡をとりました。「この廃校の未来のイメージを描いてほしい。そしてそれは大桃さんしかいないのだ」と。大桃さんは、すぐに引き受けてくれました。
そして実際にSHIP(旧・富山臨海学園)に来ていただき、リアルな雰囲気を感じ取っていただきつつ、「こういう世界観にしたいのだ」ということを伝えさせてもらいました。そして出来上がったのがこちらの絵です。
初めて見た時の高揚感は今も覚えています。予想通りに期待を超えて、素敵な絵を完成していただき、僕はこの絵を見てこのプロジェクトの成功イメージが沸いたのです。
いま、SHIPの教室に実物を飾らせてもらっていて、訪れた人にまずこの絵をみてもらって「いつかこんな場所にしたいんです」と説明しています。
ここに描いてもらっている椰子の木テーブルは、実際にこのような形で実現しています。
僕自身、この絵を見るたびに、この絵の中にいる人たちのように、こどもも、大人も、動物も、みんながそれぞれに楽しめる「公園」のような場所を作りたい、と心から思うのです。大桃さんに描いてもらって、本当によかったよかった。
↑SHIPに飾られている実物です。ぜひ観にきてください!