なにが地方創生だ。  #廃校再生日記 04なにが地方創生だ。  #廃校再生日記 04
2024.09.29

なにが地方創生だ。 #廃校再生日記 04

この夏から、千葉県の岩井(南房総市)と渋谷の二拠点生活をしています。

最初は「渋谷5:岩井2」の生活だったのが、この夏から「渋谷1:岩井6」まで逆転してきてしまいました。渋谷が別荘となってしまい、(とても)高い家賃を払うのもバカらしくなってきて、手放そうかと真剣に検討しています。日焼けもし、髪も伸びて、すっかり人相も変わり、東京で会う人たちに驚かれたりもします。

岩井での活動が増えたことにはいくつかの理由があります。もちろん、SHIP(SHIBUYA IWAI PARK)の再生事業がやることが山積みすぎるし、リモートワークでは解決できないTODOで溢れているため、物理的に「そこにいる」必要があります。ヤギの世話も大切な仕事で、それはスマホではやはりできないのです。

(草を食べる山羊のシー)

あとは、岩井で暮らすことになんら不便がない、ということもあります。本格的に移住する前は「東京にいないと不便だろうなぁ」と思っていたのですがほとんどありません。岩井にはコンビニも薬局もスーパーもあります。この辺は、チェーン店のすばらしさを噛み締めています。たまに、牛丼が恋しくなるくらいです。恋しくなったら、75分くらいで車で東京にくることもできます(この近さが、岩井の価値でもあるわけですが)。

そして何よりも、「岩井にいると気持ちが落ち着く」ということがあります。岩井海岸という美しい海があり、静かで、土地にもゆとりがあります。岩井にいる人たちはとても穏やかで優しく、いつも犬の散歩やら畑仕事をしながら暮らしています。物々交換をしたりと助け合いながら生きています。そこに「地方だから」という悲壮感はほとんど見当たりません。

方や、渋谷は本当に豊かなのだろうか、という思いは以前よりも強くなりました。家賃は高いし、人は多いし、同じようなビルばかりが立ち並び、空も星もあまり見えません。常に他人と比べてしまう。「競争」を大義に疲弊する人々が多くいます。

なんでもあるようで何もない。何もないというよりは、大切な何かが圧倒的に欠落しているように思えます。椎名林檎が21歳くらいで歌ったように「東京は愛せど何もない」が言い当ててすぎて、39歳にしてその凄さに驚きます。

岩井で海を眺めながらそんなことを考えていると、「地方創生」なんて言葉が、とてもバカらしく不自然なものに見えてきます。地方創生という言葉をそのまま使う人も、今はあまりいないとは思うのですが、その概念自体は今も残っていると感じています。つまり「都市から地方を救おう」というような空気です。東京で行われいてる「地域を盛り上げよう」みたいなトークイベント自体がなんだか歪つなものに思えます。

何が地方創生だ。ろくに星も見えないくせに。

波の音も聞こえないくせに。

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SHIP = SHIBUYA IWAI PARKは、旧・渋谷区富山臨海学園を再生し、渋谷と岩井をつなぐ公園をつくるプロジェクト。2024年の夏にプレーオープン。2025年の夏に、レストランやゲストハウスなど複合施設として生まれる変わる計画です。最新情報は下記のLINE 公式アカウント/SNSで配信しますので、ぜひご登録をお願いします。